春のじゃがいも料理は2つの味わいを楽しんで

長期保存が可能な野菜にも「獲れたて」や「旬」があります。

じゃがいもの獲れたては春と秋の2回。


春は本州、秋は主に北海道で収穫され、それぞれ「新じゃが」として出回ります。

春のこの時季は、両方のじゃがいもが出回っているのをみなさんご存じでしょうか?

それらは同じじゃがいもでも、大きな違いがあるのです。

じゃがいもの成分はほとんどが「炭水化物」。「でんぷん」という形で溜められています。

獲れたての新じゃがはこのでんぷんと水分の量が多く、みずみずしい食感で甘みが少なくあっさりとしています。

また、でんぷんが多いため粘り気が強いのも特徴です。

新じゃがはそのあっさとした食味を生かし、ポテトサラダやフライドポテトにするのがオススメです。

一方、保存していたじゃがいもは獲れてから時間が経っているので水分が抜けています。

そして、でんぷんが「糖」に変化して甘みが強くなっています。これは、じゃがいもが芽を出すから。

植物が芽を出すためには養分となるものが必要ですが、でんぷんのままでは使えません。

糖に変わることで養分として働くことができるのです。

糖が多い保存のじゃがいもは、とても甘くておいしいのですが、揚げ物や炒め物では焦げやすくなります。

火が通る前に焦げてしまうため、フライドポテトなどには向きません。

保存のじゃがいもは、煮物などにすると味も食感も生かせますよ。


新じゃがと保存のじゃがいもの両方を楽しむことができる春。

同じ品種の新じゃがと保存のじゃがいもを使ってコロッケを作ってみませんか? その味の違いをぜひ楽しんでみてください。


そうそう、じゃがいもには注意しなくてはならないこともあります。

それは「ソラニン」という有毒物質です。お子さんやお年寄りなどは中毒を起こしやすいので要注意。

極端に芽が長く出ているものや、日に当たって緑色になっているもの、成長不良でとても小さなじゃがいもには、ソラニンが多く含まれていることがあるので気を付けてくださいね。

text/photo:Uehara Miho


ウインク福山/備後版 2017年4月号掲載


野菜ソムリエ うえはら美穂

島県神石郡在住。野菜・果物を中心とした食と健康の伝道師として、その魅力を発信。ジュニア野菜ソムリエ養成講座地域校主宰。中高年向けの食育やアスリートのための食事学など、出張講座も開催中。

http://ameblo.jp/831miho


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